小屋に入り受付をしようとすると「今片付け中なんで少々お待ちを」とのこと。昨夜の激混みの影響で片付けがまだ追いついていないとのこと。準備ができたら呼びますとのこと。１３時半を過ぎているのですでに出遅れていると思ったけど全然人は来ていない。ただし情報通り今日も激混みは必至とのことなので皆さんまだ大倉尾根を登り中だと思われる。まぁ千枚小屋や聖方面からくる人もいるんだろうけど。入り口を入ったところのスペースに３人ほど先客がいて「今なら赤石小屋まで下りれるよ。２時間半だよ。」と言われるも「いや～無理です。心が折れました・・・。」と答える。３７歳だけど山ではまだ「若い」と言われる。「若いんだから大丈夫だよ。」とかよく言われるけど正直この頃大丈夫じゃないことが増えてきた。まだ終わりたくないんだが実際衰えを感じることがある。もうちょっと鍛えて頑張りたい。とりあえず体重落とさんとな。小屋の外に出て荷物の整理。しかしすごいな。山頂近くの山小屋はいくつもあるけど3000ｍ峰ででここまで山頂直下に小屋があるところは初めてだ。そりゃ北穂山荘とか探せばあるんだろうが僕的にこのロケーションには驚いた。地図を見ればすぐ近くというのはわかるんだけどここまでとは。小屋の脇のベンチに座って3000ｍ峰、しかもあの赤石岳を高みの見物ができるとは。いや、向こうの方が高いから低みの見物だな。
荷物を整理したらお次は昼めし。ビールを仕入れる。 昨日千枚小屋で「ここは２本目から半額だけど赤石の避難小屋は１本目から半額だよ。」と聞いていたんだが本当だった。シーズンが終わりかけているこの時期ならではの言わば投げ売り状態なんだが余らせて持って下りるよりは全部売りきっちゃった方がマシなんだろう。
500ｍｌと350ｍで１００円しか変わらん。もちろん500ｍｌを購入した。




 



おでんで乾杯。この組み合わせ、山でも下界でも最強のコラボである。












 



    
ビールとおでんと赤石岳。幸せだ。

















ビールを飲みながら今回の山行を振り返る。小学校で習った飛騨・木曽・赤石山脈。日本の屋根である。奥穂、木曽駒、そしてこの赤石岳と日本の屋根を一通り登ることができた。今回の山行は感慨深い。初の南アルプスの南部。アクセスの長さから非常に遠く、困難に感じていた。計画はしてたけど「ほんとに行けるだろうか？？？」とちょっと自信のなかった山行である。今回非常に心配だった地図上の２つの危険マークも無事に通過できたし悪沢・赤石の２座にも計画通り登頂できた。後半はバテバテだったけどこれで登った百名山は８０座。目標も達成できた。
準備が整い受付をする。まだほとんどの人が到着しておらず一番乗りである。寝床は壁側の一番隅。両サイドを人に挟まれない一番いい場所だ。とってもラッキーである。
その後は寝床でゴロゴロしながらラジオを聴いたり地図を見たり寝たりして過ごす。 それでもまだまだ時間があるのでもう一回赤石岳に登ったり・・・つーか登るとかおかしいな。んじゃ、行ってみたりする。ガスに覆われて視界はなくなってしまったけどここは間違いなくあの赤石岳。標高3120ｍである。








その後、小屋に戻り寝っ転がったりラジオを聴いたり山々を眺めたりして山での幸せな時間を過ごす。いや～こういう時間はほんとに幸せだ。
夕食を取り寝床に陣取る。この時間になると予想通り寝床はぎゅうぎゅう詰めになる。非常に狭苦しいのだが反対側が壁なのでそれでもまだマシだ。消灯前からラジオを聴きながら横になるもいつもながら寝ても寝ても時間が進まない。水曜どうでしょうでいうところの「逆浦島現象」だ。明日は大倉尾根を一気に椹島まで下る。１０時半のバスに間に合えば最高なんだが僕の足では無理だと思われ・・・。手堅く１４時の最終バスに照準を合わせようと思っているんだがそれに乗っても正直レンタカーの返却時間には間に合わない。ぶっちゃけ延長料金ありきで今回レンタカーを借りている。で、もし１４時の最終バスに間に合わなかったら・・・。レンタカーも返せないし翌日の出勤にも間に合わん。何が何でも最終バスには乗らねばならん。そんなことを考えながら赤石岳の夜は更けていった。

本日の記録　　　獲得上昇高度・・・1205ｍ　　獲得下降高度・・・745ｍ　　消費カロリー・・・5055ｋcal   　　　疲れた割にはあんまり高度を稼げてないな。あのアップダウンの感じでいえば下りも1000ｍくらいいってるんじゃないかと思たんだが・・・。これしきのことでひーひー言ってるんじゃ恥ずかしいわ。