8/15。２日目の未明である。時刻は４時前。外はまさかの雨降りだ。天気予報では２日ともいい天気のはずだったのに・・・。そしてどうするか考える。この雨の中でテントの撤収。そして雨の中の難路の登攀。最高に気が重い・・・。そして結論を出す。「この雨降りだ。今日は危ないからやめよう！！！」そう決めると気が楽になった。しかしそうなると今日はただの尾瀬観光になってしまう。尾瀬沼を半周して大清水まで行く。山岳的な要素はおおよそゼロだな。まぁいいや。寝よう。燧ケ岳に登らないなら９時くらいに出発しても余裕なはず。コースタイムとかまだ調べてないけど・・・。
辺りが明るくなった５時ごろ。テン場の動きがあわただしくなる。皆さん動き出す時間である。しかしおかしな会話を聞いた。近くのテントで「雨やんでるぞ～。」と仲間に声をかけているのが聞こえた。「ん？なんで？こんなにテントを雨が叩いているではないか？？？」
紛うことなくポツポツと雨粒がテントに当たっている。なんでこれで雨がやんでんの？？？気にはなったが脳燧ケ岳に行くのはやめたので・・・つーか必死に行かない理由を作りたかったというのが本音かもしれん。行く気があるなら真っ先にテントから顔を出してたはずなんだが現実から目をそらし再びシュラフに潜り込んでしまった。「ポツポツいってるから雨は降ってるはずだ・・・。」
６時半。まだテントにはポツポツ雨粒が落ちてきている。なのに外は皆さんワイワイ声が聞こえる。撤収の音が聞こえる。テントをひっくり返してバサバサやってる音も聞こえる。「何これ？こういうこと？？？」
テントから顔を出すと雨は降っていなかった。ポツポツの原因はテン場の上の濡れた木々から落ちてくる水滴であった。確かに雨は降っていたのだがやはりそいつはとっくの昔に止んでいた。
のっそりテントから抜け出し飯の準備。正直今すぐ撤収して出発すればギリギリ燧ケ岳に登れるかもしれん。しかーし・・・。やっぱやめた。もう気持ちが切れた。燧ケ岳は来年会津駒ケ岳とセットで登ろう。燧ケ岳に登らなくてもあとの予定をきっちりこなせば今年で百名山を８０座にのせられる。もうそれでいいじゃないか・・・そう思いこむようにした。

ちんたら準備をしていた結果出発は９時。ぐーたらの極みである。そして２日目がスタートした。