肩まで下りると北ノ俣岳で少し話をしたおっちゃんが休んでいた。このおっちゃん、関西から来てるんだがよくしゃべる。「ライチョウ見たか?」と聞かれ見てないと答えると「ほれ」と デジカメの画像を見せてくれた。僕の後ろを歩いてたみたいだけど僕は気づかなかったなぁ。この山行ではまだライチョウは見ていない。この人も僕と同じく黒部五郎の小舎に泊まるみたいだけど「もうこれだけしか水がない」と水筒を見せてくれた。この天候である。水切れは非常に危険だ。するとおっちゃんは「おっ、あそこに雪渓があるな。」と雪渓に雪を取りに行った。表面を削ってきれいなところを取ればいいとか言ってたけど大丈夫かいな???
12時20分、休憩を切り上げ黒部五郎の小舎に向けて出発する。地の底のようなカールまで一気に高度を下げる。
ここまで来ると水晶から鷲羽までの山々がだいぶ近くに見える。
黒部五郎を見上げる。迫力があるねぇ。
こういうの、ヤマケイとかに載ってそうだ。
この花、山ではよく見るわ。
いやー何度見ても迫力がある。
カールの底に到着。
なるほど、地図に書いてあるように濃霧時には迷いやすいかも。GPSが手放せんな。
北側は完全なる青空だけど
北側からはガスが湧き上がる。
もくもくもくっと。
少し歩くと沢があった。きれいな雪解け水だ。おっちゃんも残雪なんかとってないで、ここまで来たらきれいな水が豊富にあったのに。たぶん「あちゃ~」って思うだろうな。
しかし五郎のカールから見上げる黒部五郎はすごい。
どこを見てもまじかに百名山を望むことができる。すごいことだ。
汗まみれの顔を雪解け水で洗う。いや~贅沢な場所だ。
今年一番の山岳風景だ。
なんか黒い雲が湧き上がってきて暗くなる。雨が降る前に先を急ごう。
前方を見ると上部は台地上にまっ平らになっている。写真左上に小さな赤い小屋が見える。雲ノ平小屋か???だとすればあそこが雲ノ平か。う~む、明日はあんなところまで登り返さにゃならんのか・・・。つーかどんどんと底へ底へと下ってきてるからなぁ。明日もきつそうだ。
カールに別れを告げ樹林に入る。時刻は13時40分を回った。出発から7時間半を超えだいぶ疲労がみなぎってきた。う~む、小屋はまだか・・・。あまり快適とは言えない樹林の中の岩ぼこ道を歩いていくと
おぉ~やっとこさ小屋が見えた!!!
お花畑の向こうにたたずむ黒部五郎の小舎。
14時13分、やっとこさ今宵のお宿、黒部五郎小舎に到着。沢の水で冷やされたリンゴがうまそすぎる!!!
いや~かじりつきたい!!!
疲労困憊に加え甘ったるいジュースをがぶ飲みしたい気分である。
宿泊の受付よりもまずはネクターを買ってのどを潤す。しかし疲れたなぁ~。コースタイム6時間50分に対しかかった時間は8時間。かかりすぎだろ・・・。実際バテバテだ。まぁ無事に77座目の百名山、僕の中では水晶、鷲羽に並ぶ遥かなる百名山・黒部五郎に登ることができた。