いきなり小屋には入らず小屋の陰に入って休憩する。ふぅ~、ほんと疲れた・・・。地図を開き今後の予定を考える。本音を言えば今日はここで泊まりたい。しかしそれだと明日の行程が長くなってしまう。う~ん、どうしよう。おっちゃんは今日はここで泊まることにしたらしい。
その後小屋に入りジュースを購入。そして小屋の中でジュースとパンで昼飯にする。小屋の人にここから薬師沢までのルートを聞いてみると「岩がごろごろしててそれに苔がついて滑りやすい。急なので下りが苦手な人にはきついかも。」ということだった。う~む、マジか・・・。
隣に女性が座っていたので今日はどこからですかと聞くと太郎小屋から登ってきたという。この人にも薬師沢までのルートを聞いてみると「確かに急で歩きにくい。でも天気がいいから岩が乾いているからあまり滑らない。」ということだった。とりあえずこの意見を聞いて正直不安である。僕の頭の中では北岳の八本歯のコルからの広河原への下りみたいなところで且つ岩に苔がついて滑りやすいってイメージを思い浮かべているので不安なことこの上ない。しかしまだ12時半。コースタイムは2時間35分なので普通に歩ければ15時過ぎには薬師沢の小屋まで下りることができるだろう。よーし行くぞ!!!おっちゃんとはここで別れ僕は一人で薬師沢まで下りることにした。
12時50分。小屋を出発。
しかし何度見ても雲ノ平からの水晶はすごい。
はじめは木道を行く。小屋のお姉さんの話では子の木道が終わるといきなりごつごつの大きな岩の道に変わるという。で、それがかなり急らしい。
さらば!!!水晶岳。
どうしてもこの先の下りが不安で不安でしょうがないのですれ違う人すれ違う人に「この先の道はどんな感じですか???滑りますか???急ですか???危ないですか???」と聞きまくる。帰ってくる答えは「急。」「コケの生えた石が滑りやすいけど今日は渇いているから滑りにくい。」「登りより下りの方が厳しい。」という答えが返ってくる。「鎖場とかある?その他危ない場所は?」と聞くと「最後に垂直の梯子がある」って言ってた。梯子は逆に安全だと思うんだが、この下り不安だなぁ。
景色はいいんだがそんなわけで気が重い。
ここでのんびりできたら最高だろうなぁ・・・と思いながら先を急ぐ。
奥日本庭園。ここまで続いた庭園シリーズもあとはアラスカ庭園を残すのみ。
開けたところから樹林の中に突入する。
木々の隙間から槍ヶ岳。
こんなのが続く。
いや~いい眺め。
しつこいけど水晶。
あれはどこだろ???
木道が終わり岩岩の道に突入。
確かに歩きにくいけど・・・
特に危ないというわけでもない。これくらいの道なら結構そこら辺にあるような気もするんだが。まぁよかった。これくらいで済んで。
と思ったら再び木道が。まだ木道ゾーンを抜け出していなかったみたいだ。そりゃそうだよな。あの程度の道で危ないとか急とか言うことにはならんわな。
そして正真正銘の薬師沢の下りに突入。確かに急だ。これで岩が濡れていたら手ごわそうだ。
写真じゃ伝わりにくいけどこんな急で段差の大きい岩岩の道が延々と続く。危なくはないけどこれがまた下っても下っても延々と続く。長いなぁ~。まぁそりゃそうだ。今やってることは山頂から谷底まで下るようなもんだもの。昨日の黒部五郎から五郎の小舎もこのパターンだったんだろう。この斜度なんで登ってくる人もバテバテだ。「もうちょっとで木道ですか???」って聞いてくる人も何人かいた。
悪路なので下りだけど全然飛ばせない。つーか下る前からヘロヘロのプ~なのでそもそも飛ばせない。あーしんど・・・。
出発してから10時間を超えもう限界よろしくってところでやっとこさ梯子が現れた。沢の音は聞こえてたんだけどそこから長かった~。
この垂直の梯子を下ると
やっとこさ下りきった。
いやーほんと疲れた・・・。まだ小屋には着いてないけど。
沢に下りる。小屋が見えた。
暑くて暑くて仕方がない。思わずこの黒部川の清流で顔を洗う。う~む、イメージと違ってなんか水が川くさい・・・。まぁ川なんだけど・・・。昨日の五郎のカールの沢の水とはちょっと違った。