9月21日。AM3時を過ぎると周りがごそごそ動き始める。山の朝は早い。
僕も準備を済ませ4時前に外に出る。
満天とは言えないけどまだ星空が広がる。
小屋の前にはこれから出発しようとする人々が。
ふと見れば富士山が。昨日はガスで何にも見えなかった。
飯を食い歯を磨き5時14分、出発。今日は赤石避難小屋を目指す。つーかそこまでたどり着かないと翌日下山できなくなる。
スタートからしばらく富士山を見ながら登る。
いや~いいね。この登りの途中でもみんなこの明けゆく富士山の姿をカメラにおさめる。
と、あんまり立ち止まってると小屋までたどり着かなくなる。今日は激込みが予想されるので早くついていい場所を確保しなければならない。
とはいうものの富士山に足を止められる。6月の鳳凰三山の時も富士山がよく見えたけど南アルプスから見る富士山というのはその存在感に圧倒される。
いや~南アルプス、重厚な山岳エリアである。
いやいやいいね。明けゆく山々を眺めながら歩く。
ワクワクするねぇ~・・・と言いたいところだが実は千枚岳を越えたところの岩場の下りが気になって気になってしょうがない。今回僕は椹島から悪沢岳、赤石岳とまわっていくがこれと逆回りするコースについて「登りはきついが危険個所がすべて登りになるというメリットがある」書かれていた。岩場は下るよりも登るほうが怖くない。一瞬この記述にもひかれたけどなんか岩場から逃げるのもどうかと思いこのルートを取った。
千枚岳に向かう人々。単独行だけどこうやってみんなと歩いていくのは楽しい。
はるか先まで登山道は続く。今日のコースタイムは7時間50分。まだ先は長い。
とりあえず一歩づつ進む。目の前に千枚岳の山頂が見えてきた。
5時58分、千枚岳に到着。コースタイム50分に対し40分で到着。まずは8掛けで歩くことができた。しかしここは通過点。そのまま先へと進む。すると・・・
渋滞が発生している。ついにというか早々にというか出発して1時間弱、この山行最大の懸念地点にやってきた。
この先には細々と登山道が続いている。あそこに行くにはここを通過しなければならない。
緊張しながら順番を待つ。ここさえ越えれば何とかなる・・・と思う。
写真じゃ伝わらんが結構な高く感じる。
で、ついに僕の番がやってきた。三点確保を意識し足の置き場を探しながら下りる。一瞬「どこに足置くの~?」となったけど無事に通過。
振り返る。写真だとやっぱ伝わらんな。人によっちゃこんな感じでへっぴり腰になるような場所である。まぁ僕も人のことどうこう言えるような下り方はしてないが・・・。
最大の難所を越えてほっとしたけど結構な下りが続いたりする。
で、富士山を眺めながら歩く。
次の目的地は丸山。標高は3000mを越える。ここ数年3000mを越えてねーなー。最後に3000mを越えたのはいつだ???鳳凰山は2840m、黒部五郎も2840m、水晶は2986mで鷲羽は2924m。五竜は2814mで鹿島槍は2889m。笠は2898mだし白馬は2932m。う~む、となると3年前に下のチビを背負って登った乗鞍以来か。あんときは家族4人で登った。僕的には2回目の乗鞍だった。つーか3年も3000m超えてないのか。
しつこいけど富士山。雲が湧き上がってますな。
7時01分。丸山に到着。標高3032m。3年ぶりの3000m峰の山頂だ。ここまで1時間47分。コースタイムは1時間45分。渋滞とか写真撮ったりとかで8掛けの貯金は早くもここで無くなった。