鳳凰峠から広河原への下りにかかる。
樹林を抜けて視界が開ける。おぉ~前方には北岳がズドーン!!!
地図に書かれているゴーロはここのことだ。
おっ、下から登ってきてる人がいる。地蔵岳から本日初めてのすれ違いである。いや~このコースを歩く人がいるんだなぁ。気持ちがぱっと明るくなった。
登ってきたのはおじいさん。大ベテランの威厳がにじみ出ている。こういう渋い人がこのルートを歩くんだな。
すれ違いざまに挨拶をして「ここを下る人は他にいましたか???」と聞くと歩みを止めることもなく「3人。男2人と女1人だ。」と教えてくれた。女1人は例の山ガールだな。それ以外にもここを下ってる人がいたんだ。非常に心細かった気持ちに勇気がわいてきた。
しかしあのじいちゃんスゲーな。黙々とこのがれ場を登ってく。かっこいい。オレもあんなかっこいいじいちゃんになりたいな。
いやーいい景色。
しかし振り返るとこれ。地震とか起きたら落石が起こりそう。
ゴーロが終わり樹林に入る。と、ここで緊急事態発生。ハイドレーションをチューチューすると「うわぁぁぁ~!!!」なんとここで水切れを起こしてしまった!!!今日は天気も良く結構汗をかいてかなり水を飲んでいた。しかもハイドレーションの容量は1.5Lなんだが昨日は半分くらいしか飲まなかったので今日も大して飲まないだろうと思って満タンにはしていなかった。昨日の残りに今朝の朝飯の時に買った500mlのペットボトルの残りを入れたんだが、容量はざっくり1Lあるかないかといったところ。しかし出発前の予定では5時間半ほどで下山できるだろうとふんでいたのでそれで十分だと思っていた。時刻は10時50分。出発からほぼ5時間半だ。行程の方は全然予定通りいっていないが水の方は予定通りなくなった。広河原まで今日のペースでいけば2時間以上かかりそう。大丈夫か???
昨日から思ったことだがこういう感じのメッセージが多い。「汚い山は好きですか?」とか。何だろね。この百名山ブームでにわかにごみが増えたりしたんだろうか???正直あまりいい気はしないけど地元の人たちは怒ってるのかな???いずれにせよ山を汚しちゃいけない。「登らせてもらっている」という気持ちを常に持ってなきゃいけない。
急な下りである。先ほどの稜線みたいな岩場じゃないだけまだましだけど僕的には苦手だ。
荒れ気味の樹林の急な下りをえっちらおっちら進んでいく。そして・・・
小屋のご主人にも聞いていた梯子が登場。しかも2連である。ただし高度感はあまりない。
まぁこれくらいなものでよかった。
と、思ったらこの梯子エリアが続く続く。
去年の早池峰山以来の梯子である。
見上げてみる。
背後に気配を感じたので振り返るといつの間にか追いつかれてた。う~むこんなにちんたらしてたらさすがに追いつかれるな。全然太刀打ちできないので道を先に譲る。
ロープの張られた急な下り。ここでも後ろから追いついてきたお二人に道を譲る。
振り返る。急である。
そして鎖場からの梯子ってのが出てきた。先ほどの鉄梯子とうってかわって手作り感あふれる梯子である。
高度感はないけどとりあえずストックをしまって梯子に臨む。
この梯子を超えると今度は丸太みたいな橋。
下をのぞく。これ雪山シーズンは怖いだろうな。つーか夏山でも濡れてたら怖い。落ちたらタダではすまん。
しかし長いなぁ。なかなか下界にたどり着かない・・・。
ぶひぃ~やっとこさ下山。つーかなんじゃこのフェンスに覆われた登山口は。
白鳳峠からここまで2時間26分。ほぼコースタイム通りである。
ここでも一人に追い抜かれた。競争ではないけど全然ダメだったな。
てなわけでやってきました広河原。6年振りだ。前来た時には北岳に登った。白峰三山を縦走する予定だったけど色々あって敗退。間ノ岳まで行ってまた広河原に戻ってきた。
アルペンプラザに到着。薬師岳山荘からここまで7時間25分。コースタイムは5時間40分。う~む、終わっとんな。
水切れから2時間ぶりの水分。くぅ~っ!!!ペプシが体にしみわたる。
とりあえず無事に広河原まで降りてきた。