三脚を立て自分の場所を確保する。この天気のせいか人はそれほど集まっていない。しかしここが有名なお立ち台である片鱗をそこここに見ることができる。
立て看板と赤いコーンは富山県警のものである。こんなものがあるということはこの近隣の住民の皆さんに迷惑が掛かっているということである。自分の生活の場に不特定多数のカメラを持った人たちが大挙して押し寄せてきたらって考えると嫌だと思う。しかし僕もその押し寄せているうちの一人なので少々気まずい。すみませんが本日はちょっとだけ撮影させていただきます。すみません。すみません・・・。
そして１１時１５分、上り列車がやってきた。
はくたか４号である。背景がこのありさまなので田んぼを多めに入れてみる。
「こんな写真だったら別にここじゃなくても・・・」なんて言葉は今は禁句だ。
次は下り列車が通過する。同じアングルばかりじゃつまらないので踏切へと移動する。
そしてやってきたのは
北越３号
そしてお次の登場は
なんと５２１系。富山より東にも進出していたのか。う～む、つまらんものを撮ってしまった。思わず電柱まで入る始末である。
次の列車まで暫し時間があるので周りを観察する。
この「立山バック」の周辺にはロープが張られロープの内側は立ち入り禁止となっている。
この神社の敷地内も立ち入り禁止だ。
にもかかわらずそれを無視して敷地に入る奴がいる。
こういうルールの守れんやつがいるからその他大勢の常識的な撮り鉄さんまでが色眼鏡で見られることとなる。あくまでもそこは私有地である。勝手に入ってほしくないからロープを張ってまで立ち入り禁止にしてるのにそれを余裕で無視する。この地で生活している人たちの場所で写真を撮らせてもらっているのだ。その人たちが不快に思うことや迷惑をかけることは絶対にしてはいけない。
もう一人増えた。注意したいが注意できない。トラブルになってもめるのが嫌で注意できない自分が情けない。先日のヒガハスでマナー違反のおっさんに秒殺で一発かましていた人のようにいつかなりたい。
上り列車の通過時間が近づいたので線路側の位置へと戻る。
「立山バック」にならないのでいろいろアングルを変えて撮影。
しばらくすると太陽が顔を出すようになってきた。しかしお山のガスを吹き飛ばすまでには至らない。もう一息って感じなんだけどな。
お次にやってきたのははくたか１１号。踏切だとどうにも右側が窮屈になるので踏切よりもずっと下がった位置から撮影。
近いけど当然線路の敷地外から撮ってます。
後追い。
さて時刻は１２時を回りそろそろフィナーレが近づいた。残すところは上りの普通列車とはくたかの２本である。しかしやっぱりガスは晴れない。隣の人に「山、全然見えないっすねー」と話しかけると「これじゃただの編成写真ですよね」って返ってきた。そう、まさしくただの編成写真。もうちょっとしたらガスが晴れそうなんだけどなぁ。隣の隣あたりから「午後から天気が回復するから１４時くらいでガスは消えるんじゃないの」って声が聞こえてきた。う～む、もう来ることがないかもしれないから今日は一日粘ってみようかな・・・いやいやそれだと特急＆新幹線で帰らねばなくなる。お金もないし大糸線にも乗りたいからここは涙をのんで退散せねばならん。つーか奇跡は起きんかな。
自分では把握してない下り列車が通過～。
おっ、向かいから上り列車登場。
下り列車とすれちがい上り列車が近づいてくる。結局ガスは晴れなかったので田んぼを広く入れてみた。
ほんとはこれでバックが立山だったんだが・・・。
普通列車が通過しいよいよ最後の列車は上りのはくたかのみ。しかし通過の予想時間を過ぎてもなかなか姿を見せない。おかしいなぁと思いながら時計を見ると時刻は１２時２５分を回った。そろそろ駅へ引き返さんと１３時２３分発の列車に乗り遅れてしまう。これに乗り遅れると１４時５０分発の大糸線に乗れなくなる。正直なところ普通列車よりもはくたかの方が先に来るような気がしたんだが・・・。前方に注意を払いつつも時刻表を取出し時刻を確認する。すると「どひゃ～！！！」
僕の待つ上りのはくたかは臨時の８２号。しかも僕の持ってる時刻表は２０１４年の１１月号。これによればこのはくたかの富山着は１２時２１分。そう、今の時刻は時刻表通りならもうとっくの昔にこの立山バックを通り過ぎている時刻なのである。ろくに時刻も調べていない僕的にはもうグダグダの極みである。来るはずもない列車をまだかまだかと待ち続けていたのだ。うわぁぁぁ～我ながらひどすぎてちょっとへこむわ。つーか大幅に時間をロスしてしまった。ここまで片道５０分を要した。こりゃ急いで帰らんと列車に間に合わん。いそいそと三脚をたたみ、東富山に向けて出発した。
